平賀沼を望む浅間社
どんな伝承か
浅間社は布佐の浅間前にあり、相馬八十八ヶ所第八十九番の霊場である。平賀沼を望む高丘にあって四面に水田を巡らし、二三十間ほど進むと社殿に至る。その間には老松が濃い翠を保って大空に聳え、根や幹が高く地上に現れている。脚下には渺々たる平賀沼が広がり、幾百の漁舟を眺めることができ、さらに東には布施・手賀の連なる岡が続き、手賀の水と相まって水光が天に接する勝地である。山の姿は秀霊で高古の色があり、社殿は壮麗とは言えないが幽邃の趣があって威厳がある。祭日は六月一日。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
相馬伝説集(寺田喜久(狂花)・相馬郷土研究・1922年(大正11年))
『相馬伝説集』は、寺田狂花が著し、大正十一年二月の自序を付した下総相馬地方の伝説集である。北相馬郡の小文間・布川・取手・守谷などを中心に、平将門や一色宮内にまつわる伝承、寺社の縁起、城址や墓碑、相馬霊場の札所を記し、猿島郡・結城郡・東葛飾郡などの伝説にも及ぶ。巻頭に緒言と坂巻湖舟の序・自序を置き、「△」を付けた小項目を土地ごとに並べ、『相馬日記』『下総旧事考』などの記事を引き、相馬の俗信も書き留めている。