夏井に伝わる七つの不思議
どんな伝承か
夏井には七不思議と呼び習わされた名所があった。橋本の三本桜と諏訪の二本杉、武田の笠松、原の観音、舘の白石、原の経塚、そして村木の河童石である。諏訪の二本杉は諏訪神社にある翁杉と媼杉のことで、この社はもと大杉神社と称したという。舘の白石は樋口の舘山の南東斜面に、八合目あたりから麓まで広がる花崗岩の露出層を指す。武田の笠松は明治三十五年の暴風雨で倒れ、河童石も河川の改修で失われてしまった。いま残っているのは二本杉と原の観音、舘の白石だけだと土地の人は語っている。
原典より
夏井の名所に、橋本の三本桜、諏訪の二本杉、武田の笠松、原の観音、舘の白石、原の経塚、村木の河童石というのがあった。—— 小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史)
『小野町史 民俗編――伝説』は、小野町が編んだ町史の民俗編から、第九章「ことばと伝承」の第一節「伝説」を収めたものである。田村郡小野庄にあたる町内の館主や城主の没落、坂上田村麻呂や八幡太郎、小野篁・小野小町にまつわる話、デンスケ坊の祟り、河童の恩返し、大蛇や名石・埋宝の話など五十四編を、大半は地元の人からの聞き書きで収める。村川友彦の「はじめに」と地域の特色の解説を置き、伝説を大字(旧村)ごとに並べ、語り手の名を添える。