デンスケ坊の祟り
どんな伝承か
皮籠石の極楽寺は、もと山蔭にあったが焼けて今の漆平へ移ったという。その寺にデンスケ坊という小僧がいた。厳しい和尚が仕舞っておいた馳走を盗み食いして寺を追い出され、鐘搗堂の下の藪に隠れていたが、見つけ出されて叩かれるうちに死に、寺山の蔭の沢に埋められた。その年の秋、小僧を見つけた者が山で倒木をまたぐとそれが動き出した。木と見えたのは蛇で、その者は気を病んで間もなく亡くなった。蛇はやがて大きくなり赤井岳へ移ったという。以来村ではデンスケ坊を祀って供養し、それからは川流れで死ぬ者が絶えたと伝わる。
原典より
皮籠石の極楽寺という寺は、もと山のかげの方にあったが焼けて、今の漆平のところに移ったという。—— 小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史)
『小野町史 民俗編――伝説』は、小野町が編んだ町史の民俗編から、第九章「ことばと伝承」の第一節「伝説」を収めたものである。田村郡小野庄にあたる町内の館主や城主の没落、坂上田村麻呂や八幡太郎、小野篁・小野小町にまつわる話、デンスケ坊の祟り、河童の恩返し、大蛇や名石・埋宝の話など五十四編を、大半は地元の人からの聞き書きで収める。村川友彦の「はじめに」と地域の特色の解説を置き、伝説を大字(旧村)ごとに並べ、語り手の名を添える。