古小屋を恋しがる泣き釈迦
どんな伝承か
雁股田の堀切にある釈迦堂の本尊は、もと古小屋というところの堂に祀られていた。ある日その本尊を盗んだ者があり、家に隠しておくと、夜になると「古小屋恋しい、古小屋恋しい」と泣いた。盗人も持て余して、もとの堂へこっそり戻したという。部落の人々はまた盗まれてはいけないと大伝寺に預けたが、それも十年ほど前にまた盗まれた。今度の盗人は郡山の者で、仏像をばらばらにして畑に埋めていたのを警察が見つけて戻した。大伝寺がなくなってからは堂を建てて部落で祀っている。台座共に六尺もある大きな木像だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史)
『小野町史 民俗編――伝説』は、小野町が編んだ町史の民俗編から、第九章「ことばと伝承」の第一節「伝説」を収めたものである。田村郡小野庄にあたる町内の館主や城主の没落、坂上田村麻呂や八幡太郎、小野篁・小野小町にまつわる話、デンスケ坊の祟り、河童の恩返し、大蛇や名石・埋宝の話など五十四編を、大半は地元の人からの聞き書きで収める。村川友彦の「はじめに」と地域の特色の解説を置き、伝説を大字(旧村)ごとに並べ、語り手の名を添える。