八幡太郎の矢が割った石の花
どんな伝承か
田母神字姉屋と小野山神との境の峠に八幡さまが祀ってある。そこから少し小野山神寄りに下ったところに、畳二、三畳ほどの平たい石がある。昔は何百年もたつ笠松が覆いかぶさっていたが枯れてしまった。この石には八幡太郎が足を踏ん張って矢を射た跡が残るといい、その矢は遠く離れた石に当たって、石は花のように割れた。それでそこを石の花と呼ぶ。石に当たった矢が折れて飛んだところをトヤ、イヤといい、その矢を拾い集めて埋めたところをイヤノメというと伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小野町史 民俗編――伝説(小野町(編)・小野町史)
『小野町史 民俗編――伝説』は、小野町が編んだ町史の民俗編から、第九章「ことばと伝承」の第一節「伝説」を収めたものである。田村郡小野庄にあたる町内の館主や城主の没落、坂上田村麻呂や八幡太郎、小野篁・小野小町にまつわる話、デンスケ坊の祟り、河童の恩返し、大蛇や名石・埋宝の話など五十四編を、大半は地元の人からの聞き書きで収める。村川友彦の「はじめに」と地域の特色の解説を置き、伝説を大字(旧村)ごとに並べ、語り手の名を添える。