六月の雪が化した真弓山の寒水石
どんな伝承か
昔、源頼義と義家の父子が奥州征伐の大軍を率いて真弓の地を通った。このとき義家は十四歳で、十五歳を節目としていたため、神前に松竹を飾り、六月一日を元日に見立てて年越しの宴を開いた。ひたすら武運を祈っていると、陰暦六月の炎天がにわかに崩れ、激しい雪が降り出してたちまち積もった。父子は神の加護を確信して兵を励まし、馬も雪を蹴立てて進んだ。馬が踏み固めた雪は、まぶしく輝く寒水石に変わっていたという。
原典より
馬が踏み固めたその雪はまばゆいばかりの寒水石(大理石)に変わっていたといわれている。—— 常陸太田市史 民俗編――伝説(常陸太田市(編)・常陸太田市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
常陸太田市史 民俗編――伝説(常陸太田市(編)・常陸太田市史)
『常陸太田市史 民俗編――伝説』は、常陸太田市の市史民俗編のうち、第五章「ことばの伝承」の伝説と昔ばなしの部分である。第一節「伝説」は市域の伝説を自然的伝説・社会的伝説・歴史的人物伝説・信仰的伝説の四つに分け、国見山・赤沼・源太郎狐・十王坂・舞鶴城・義家・親鸞・徳川光圀・真弓山の天狗などの話を記す。社会的伝説には地名のいわれや塚・城跡の伝承が多く、第二節「昔ばなし」は冒頭の三話だけを収める。