商人が祝う西伯郡のヤカマツ
どんな伝承か
『歳時習俗語彙』によると、伯耆の西伯郡では十二月八日をヤカマツと呼んで、商人の祭日としているという。これは八日待ちがなまった呼び名だろうとされる。この日を、日ごろ嘘をつく者だけが祝う日だとする言い方もあり、京都の誓文払いと同じ性格を持つとされる。
原典より
伯耆西伯郡でも此日をヤカマツと謂つて、商人の祭日としてゐるのは八日待の訛音であらう(『因伯民談」二ノ一)。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。