女も当番に立つ幣羅坂神社の夏祭り
どんな伝承か
京都府相楽郡木津町市坂の幣羅坂神社では、例祭と正月祭りの当番は共通で、十人ずつが順に務める。当番は十人衆には回らずその次の層までで、一生に三度ほど当たる。ところが七月一日の夏祭りの当番はこれとは別で、老中である十人衆の家も区別なく、どの家からでも、女でもかまわないので一人ずつ出し、七軒で当番を務めることになっている。原典はこれを、男だけ・家柄だけの春秋の祭りに比べて自由で開かれた、後から加わった祭りの例とみている。
原典より
ところが七月朔日の夏祭りの当番はこれとは別で、老中すなわち十人衆の家も差別なしに、一軒につきだれなりと、女でもよいから一人ずつ出て、七軒で当番をつとめることになっている(井上頼寿『京都古習志』P230)。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。