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狐に呼ばれた渡瀬の産婆

所在地福岡県みやま市(渡瀬駅)
年代伝承
登場柳田國男、伝承者
出典妖怪談義(柳田國男選集 五巻)

どんな伝承か

柳田國男『妖怪談義』所収。古い話が新しい衣裳を着て今も残る一例。五、六年前のこと、筑後の渡瀬駅で開業する産婆が、深夜に見知らぬ家から招かれ車で向かった。使いの者は三十前後の商人風で、非常な早口の男であったという。鶏鳴の頃にようやく産があり、絹布の夜具に寝かされてとろとろとしたと思うと、気づけば江の浦街道の路傍の藁の中に寝ていた。ただし枕元には紙に包んだ本物の新しい五円札があった。狐が産婆を招いて難産を助けさせたのだという類の話である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))

『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。

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