島原から渡ってきた岩戸の観音
どんな伝承か
岩戸の観音は、遠い昔に島原半島から海を渡ってきたと伝えられる。まず塩屋の先にある観音バナと呼ばれる場所へ上がり、そののち今の地へ移ったという。この由来があるためか、岩戸観音に入る僧は昔から決まって島原や長崎の方角から来ていた。『河内町史』は伝説の章の冒頭近くに、土地の縁起としてこの一条を短く書きとめており、続く<第四話>では同じ島原半島から坊さんを慕って大蛇が来たという話へつながっていく。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。継子譚・異類婚姻譚・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音や金峰山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、伝承者の名を添えて記す。昔話と伝説の違いを述べた前置きに続いて第一話から第三十八話まで番号を振って並べ、話ごとに話型の名や類話の広がりを短く解説する。