便所に落ちた和尚と炊飯の合図
どんな伝承か
欲張りな和尚は飯を満足に炊かせず、小僧はいつも腹をすかせていた。客があっても人数分しか炊かせず、指一本で一升、片手で五升と炊く量を合図で決めていた。ある日、和尚が便所の踏み板を踏み抜いて落ち、『早う助けえ』と両手を上げてもがいた。小僧はそれを一斗炊けの合図と受け取り、台所へ行ってしまう。這い上がった和尚が怒ると、小僧は『米を一斗炊けと言われたので炊いていた』と答えた。その日小僧は腹一杯飯を食べられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。継子譚・異類婚姻譚・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音や金峰山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、伝承者の名を添えて記す。昔話と伝説の違いを述べた前置きに続いて第一話から第三十八話まで番号を振って並べ、話ごとに話型の名や類話の広がりを短く解説する。