七瀬桜とヤセのキベイ
どんな伝承か
昔、熊本の八景水谷にナナセザクラと呼ばれる一本の桜があった。岳にはヤセのキベイさんというたいそう痩せた人がいて、ある日この桜を見に出かけた。キベイさんは桜に向かって、八景水谷のナナセザクラはあんたか、わしは岳のヤセキベイだと歌のように呼びかけた。すると七瀬の桜は、痩せ(八瀬)に一瀬負けたというので枯れてしまったという。
原典より
すると、ナナセの桜はヤセに一セ負けたので枯れてしまったという。—— 河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内町史 民俗編――昔話・伝説(河内町(編)・河内町史)
『河内町史 民俗編――昔話・伝説』は、河内町の町史の民俗編のうち、子守歌と昔話・伝説を収めた部分である。伝承者の名を添えた子守歌二編と、昔話と伝説の違いを述べた前置きに続き、継子譚・異類婚姻譚・和尚と小僧・愚か婿など全国に分布する型の昔話と、岩戸の観音、金峰山と飯田山、小野小町、弘法大師にまつわる土地の伝説を、第一話から第三十八話まで番号を振って並べる。多くの話には話型の名や類話の広がりを短く添える。