腕と引き換えの骨接ぎ膏薬
どんな伝承か
只見町の蒲生には河童膏薬の由来が伝わる。勢助という男が盆の十六日、盆棚の供物を川へ納めに行くと、何ものかに深みへ引き込まれそうになった。手にした鎌を振り回してどうにか岸へ上がると、腰に河童の腕がぶら下がっていた。その夜、河童が訪ねてきて、骨接ぎ筋わたしという膏薬の製法を教えるから腕を返してくれと頼む。勢助は詫証文を取ったうえで腕を返し、以後この家では教わったとおりの河童膏薬をこしらえて世に出すようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史)
『田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説』は、会津の田島町の町史のうち民俗を扱う巻の、伝説を論じた節である。針生・糸沢・金井沢・折橋などに伝わる岩魚の棲まない沢、ダイタンボウの足跡、弘法清水、竜燈、天狗隠し、河童駒引き、アズキトギなどの伝説を、土地の言葉を交えた語りで載せる。自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分けて動物・地形・地名・人物・幽霊・妖怪変化などの項を立て、各話のあとに伝説の型や会津の類例を論じる。