遠見の化け物
どんな伝承か
真岡の清水地区にはタヌキやムジナが多く、なかでも「遠見の化け物」という化け物があちこちに出たという。姿を見せず、正体を探ろうとしても近づいたと思うと遠くにちらりと動くものが見えるだけだった。ある夜、用事で遅くなった村人が家に帰る途中、後ろからガッタンガッタンと音を立ててついてくるものがあり、恐ろしさのあまり走って逃げ帰ると、腰を抜かして何日も寝込んでしまった。以来、この化け物の正体を見てやろうという村人はいなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話(真岡市(編)・真岡市史)
『真岡市史 第5巻(民俗編)――伝説・昔話』は、栃木県真岡市の市史民俗編から、第十四章「口頭伝承」の第一節「伝説・昔話」を収めたものである。大だら法師の足跡、釜淵の燈籠、大前堰の人柱、へび娘など、五行川・鬼怒川・小貝川の淵や沼、社寺にまつわる伝説と、タヌキやキツネに化かされた話を、既刊の民話集・伝説集と新たな採話から集める。冒頭に口頭伝承の参考文献を掲げ、各話の末尾に典拠を記し、結びの「まとめ」で話を河川・社寺・沼・動物の別に整理する。