乃木夫人が泣いた金蔵寺の見返松
どんな伝承か
香川県の金蔵寺村にも見返松と呼ばれる松がある。乃木将軍が第十一師団長としてこの地に住んでいた頃、夫人が東京から訪ねてきたが、将軍は夫の許しを得ずに来た者に用はないと言って会わずに帰した。引き返す夫人は、この松の木にもたれて思わず泣いたという。見返坂や見返松という名は地物に付けやすく伝説を伴いやすい名であったとされ、これも近代になってから生まれた新しい伝説の一つとして挙げられている。
原典より
これは、乃木将軍が第十一師団長として、この地に住まわれた当時、夫人が東京から訪ねて来られたが、…—— 神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(中村亮雄(「伝説と昔話」)・神奈川県の歴史)
『神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話』は、県史講座要録の県下の民俗篇に収められた、中村亮雄の「伝説と昔話」である。柳田国男の白米城伝説の研究を手がかりに、三浦半島の二反ヶ城、鶴見の見返し坂、湯河原の石橋山合戦の伝承など県内の伝説を取り上げる。昔話は本格昔話と派生昔話(化物譚・笑話・動物昔話)に分け、藤沢・津久井・平塚などの類話を並べて世間話にも触れる。「はじめに」「伝説」「昔話」「あとがき」の四節からなる。