道仙田の狐の嫁入りと狢の月
どんな伝承か
道仙田から八幡様の方へ行く道では、狐の嫁入りが見られたという。夕方になると光るものがいくつも行ったり来たりし、砂波の語り手も三つ四つの火が速くなったり遅くなったりするのを見た。狐が何かをくわえていて、それが光るのだといい、提灯のような火は人の歩みよりずっと速かった。狐の嫁入りの火は狐の息吹きで、息と息の吹き合いが火に見えるのだともいう。狢もまた化けるもので、杉の木のてっぺんに出る月は狢だといい、中郷の土手には昭和五年ごろまで狢が出て、月や木の葉に化けたと語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、北文間・川原代の両地区で聞いた伝説と世間話を収めた部分である。中沼の主のタニシや亀、ドウロクジンサマの大蛇、狐や狸に化かされた話、首切り田や底なし田、平将門の影武者、力持ちのジンシチなどを、明治・大正生まれの話者からの聞き書きで記す。話はムラごとに分け、話者の語りに準じて記して地区・性別・生年を添え、冒頭には話型名を付した昔話も含む。