裸で葬られ三途の川の手前で生き返った人
どんな伝承か
物のない戦争中のこと、ある男が死に際に、自分は裸のままでいいから着物は子どもたちの服に仕立ててくれと言い残し、家族はそのとおり裸で葬った。妻は涙ながらに着物を持ち帰った。死者は川を渡って極楽浄土へ向かうものだが、その人は広々とした所を通り、川を渡る手前で息を吹き返したという。裸のままでは三途の川を渡れず、生き返って早く着物を着せてくれと出てくるのだから、裸で葬ってはならないと父が語った。お坊さんから聞いた本当の話だという。
原典より
亡くなったとき裸で居ると三途の川渡れないで、息ふきかえすんだって。—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書4(竜ケ崎地区)――伝説・世間話』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、第七章「口承文芸」の伝説・世間話を収めたものである。竜ケ崎地区で聞き取った狐のお産や狐に化かされた話、狐憑き、幽霊屋敷、生まれかわり、家の主の蛇、龍ヶ崎の大火、首吊り榎、神木のたたり、源頼政の旧跡、鏡田などを、話し手の口調のまま載せる。話の末尾には多く話者の町名と性別を記し、生年か採録日を添える。昔話の一部には「大成」の話型名を付す。