直江公がエンマに手紙
どんな伝承か
上杉景勝の家臣三宝寺勝蔵が、ある日家来を手討ちにしたが、それほどの罪を犯したのではないことがわかった。おさまらない家人がこのことを直江兼続に訴えたので、同情した直江はねんごろに供養せよと金品を与えた。しかし家人は金が欲しいのではない、生き返らせてほしいと迫り、何度さとしても聞き入れない。我慢もこれまでとなった直江は、それならば冥途の閻魔王に手紙を書いてつかわすから、これを持って閻魔王のもとへ行けと手紙を渡した。手紙には、不慮のことで相果てた者を親類が嘆いているので迎えの三人を遣わす、かの死人を返されたい、と記されていた。これには家人も引きさがったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。