置賜三十三観音の札所と観音信仰
どんな伝承か
置賜地方は観音信仰が盛んな土地であったらしく、それを端的に示すのが三十三観音の札所の設定である。上小菅・高峯・黒沢・中村・時庭・深山・畔藤・赤湯・上小松・鮎貝・小野川・赤芝・浅川など三十三の札所が定められていた。札所の番号がいつどのような方法で定められたかは分からないが、札所以外の観音堂も合わせればその数はさらに増える。市郡別に整理すると米沢市内九、東置賜郡内五、西置賜郡内十九で、西置賜郡内が多い。この地方でなぜ観音信仰が栄えたかについては、一説に直江山城守兼続の奥方が熱心な観音信者であったからというが定かではない。置賜三十三観音参りは今でも観音講中によって行われている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。