虫を見ただけで帰った佐兵
どんな伝承か
高畠の露藤に佐兵というひょうきん者がいた。南原の知り合いの庄屋に頼まれ、煙草につく虫とりの手伝いにやってきた。庄屋が畑に行って虫を見てくれと言うと、佐兵は朝から晩まで畑に蓆を敷いて横になり、虫が上がったり下がったり葉をばりばり食うのを見て帰ってきた。虫をとってくれたかと問われると、見てくれとは言ったがとってくれとは言わなかった、と返した。庄屋は怒ることもならず、自分がとった虫の入ったハケゴを渡して川へ捨ててこいと言ったが、しばらくして、ハケゴごと捨てられてしまうと気づき、あわてて後を追ったが後の祭りであった。佐兵の話は小役人をめぐる世間話としても語られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史・自治体史(民俗))
『米沢市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説。山形県米沢市に伝わる鳥獣草木・山川湖沼・地蔵社寺の伝説を採録する。