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馬鹿婿が歌を詠んだ話

所在地岩手県奥州市
年代不明
登場馬鹿智
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

馬鹿婿があった。嫁の実家に呼ばれて行き、蕎麦搔餅を馳走になった。それがあまりに甘かったので、婿は寝る時に椀に盛ってあるのをこっそり持ち出し、庭の土を掘って埋め、その上に目印として糞をひって置いた。翌朝早く起きて見ると、一晩のうちに雪が降り積もって目印の糞を隠してしまった。そこで婿は「雪ふりてしるしの糞は見えにけり夕べのソバケァ餅どこさ行ったべ」と詠んだ。台所にいた檀那殿に聞き返されると、すぐさま「雪ふりてしるしの松は見えにけりわがふる郷はどこくらん」と作り換えて詠み、馬鹿婿にも良いところがあると分かったという。

原典より

嫁の実家に呼ばれて行つてソバケァ餅(蕎麦搔餅)を御馳走になつた。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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