夫婦神を隔てた毛長堀の嫁入り禁忌
どんな伝承か
草加市新里町の毛長神社は女の神を祀る。この神と、毛長堀をはさんだ向かい、足立区舎人の諏訪神社に祀られる男の神とは、たいそう仲のよい夫婦なのだと伝えられている。古くは新里も舎人も同じ舎人領のうちだったが、毛長堀ができたために二つに分かれ、神々も引き離されてしまった。その恨みが残っているのだろうか、この二つの社の下の道を通って嫁入りをすると、その縁組は必ず壊れ、嫁は離縁されて実家へ戻ることになるといわれ、長く忌まれてきた。
原典より
新里町の毛長神社の御神体は髪の毛であるという。—— 草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市が編んだ市史民俗編のうち、伝説の章である。柿木や青柳など市内各町の地名の由来、塚、毛長神社や弁才天などの神々、疣地蔵・火あぶり地蔵などの地蔵・薬師・観音、旅の僧、狐・むじな・狸・雷獣といった動物や妖怪の伝えを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の人からの聞き書きによって記す。地名起源から動物・妖怪まで九つの節に分け、聞き書きの話には町名と話者の頭文字・生年を添える。