氏神を争った北野の天神社と神明社
どんな伝承か
浅野長政は北野の生まれである。霊松寺の境内にある天神社の御神体は室町時代の掛軸で、長政は出陣にあたってこの神像と五反五畝の田を寺へ寄進し、戦勝を祈らせた。のちにムラでは、その天神社と宮地を村の氏神にしようとしたが、寺はこれを拒み、清洲の陣屋へ訴え出た。裁きは寺の側の勝ちとなる。そこでムラは伊勢から神明社を迎え、あらためて氏神としたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町が編んだ町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節を大字ごとの十九項に分けて並べ、五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。