里芋を作ると病になるという禁忌
どんな伝承か
全国の小学校を通じて行われた迷信調査の報告に、農作物にまつわる禁忌の一例として第三十五例「里芋を作ると病気になる」が挙げられている。回答したのは山形県の農村調査校で、南置賜郡窪田小学校であった。報告者は、この種の例は全国に少なくなく、特定の作物を部落全体で栽培しない場合もあれば、部落内のある姓氏の家だけが作ってはならない作物もあるという。作物の種類も土地によって異なり、玉蜀黍・胡麻・胡瓜などさまざまだが、稲や麦のように欠かすことの許されない作物についてはこうした例を聞かないと述べている。理由としては、先祖が苦境にあったときその作物によって救われたとか、氏神さまが嫌うからともいう。
原典より
人の食べかけた柿を食べるとカキ病になる・・・・・・岐阜(農)二またの大根は双生児を生むと言つて食べない・・・・・・滋賀(農)朽木山で食事した時箸を折らないと足に竹をさす 宮城(農)みようがをたべると忘れ物をする・・・・・…—— 日本の俗信 1――迷信の実態(文部省迷信調査協議会・日本の俗信・昭和24年(1949)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(文部省迷信調査協議会・日本の俗信・昭和24年(1949))
文部省迷信調査協議会『日本の俗信1―迷信の実態』(昭和二十四年)。戦後の文化国家建設を背景に、昭和二十一年から宇野圓空を委員長とし今野圓輔・森秀男・古畑正秋らの人文・自然科学者・迷信研究家が、全国の児童生徒・教師を通じて行った大規模な迷信実態調査の第一回報告。