富崎村の里芋の種切り
どんな伝承か
千葉県の富崎村には、不幸のあった年には里芋を他家へやって食べてもらい、自分の家の種を絶やしてしまって、他家からあらためて種をもらって植えるという風が伝えられている。これを種を切るのだといっている。死による不安な状態は家の里芋類にも及ぶので、将来の種にするものは、あらためた不安のないものにしようというのであろうとみられる。主人が死ぬと牛馬を売り払う毛替えの風習も、同じような心配から生じたものらしい。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。