靖坊ちゃんの社会的孤立と差別
どんな伝承か
昭和二十四年、本間家の英男の長男・靖坊ちゃんは、もともと神経質な性格で、周囲から呪われた家の者と見られることをひどく気にしていた。学校では誰も気味悪がって友達になってくれず、離れた町で作った釣り仲間も、本間家の者と知ると必ず遠ざかった。同じころ千代奥さまは全身の激痛に苦しみ、源兵に死なせてくれと哀願するほどであったが、やがて昭和二十六年三月、痛みに耐えかねて部屋で首を吊り、自ら命を絶ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話(中岡俊哉・1976年(昭和51年))
『恐怖の事実と悪霊を除く法-本間家の話』は、中岡俊哉が一九七六年に著した『悪霊があなたを狙う』(双葉社)のうち、まえがきと目次、第一話「“幽霊屋敷”悪霊のたたり」を収めたものである。千葉県館山市上野原の網元本間家で、娘の神隠しを発端に一家が絶えるまでの出来事を、元下男の源兵じいさんが著者に語った聞き書きの形で記す。目次によれば原本は悪霊憑依の実話十一話を二部に分け、終わりに霊魂の存否と悪霊対策を論じる章を置く。