鎌を投げ捨てたシマ
どんな伝承か
昭和十一、二年ごろ、千葉県柏市藤ヶ谷の相馬せんら同じ年ごろの娘四、五人が、馬捨て場に近い田んぼの畔で草刈りを終えたあと、台地の上の天幕部落をのぞきに行った。急坂とは別の道を上がり、そばの雑木林で薪を拾うふりをしながらテント群を観察していると、どこからともなくシマが現れた。「何だ、お前ら。おらたちのことを見にきたんだんべ」と切り裂くように言うなり、「帰れ、帰れ」と叫びつつ、娘たちが置いていた草刈り鎌や籠を台地の端から斜面の下へ次々と放り投げた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)