土砂降り…………………夜の廃墟
どんな伝承か
土砂降りの夜の出来事。当時ロードレースをしていた語り手は、後部を空にしたライトエースを運転中、ズブ濡れの白いシャツを着て長い髪から水を滴らせた女が後部座席に座っているのをバックミラーで見た。女は上体を傾けて腕を伸ばしてきて、語り手は意識を失った。気づくと深夜一時を回り、迷わず恋人の家にたどり着いていた。恋人に再現してみせようと後部に乗り込むと、女が座っていた場所に大きな水溜まりと数十本の長い髪の毛が残っていた。後日、友人がその廃寮を知っており、女の幽霊が出る噂があると言った。
原典より
小川恭正買ったばかりのライトエースに乗って、自宅から最も近いバス釣り場である手賀沼(てがぬま)へ出掛けた日のことだ。—— 水辺の怪談3(水辺の怪談・2000年代~2010年代推定) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
水辺の怪談3(水辺の怪談・2000年代~2010年代推定)
本書『水辺の怪談3』は、つり人社による「水辺の怪談」シリーズの第3巻で、釣り愛好家たちが経験した心霊現象を記録した怪談集である。東京湾から鹿児島、サイパンまで、全国14都道府県の水辺・山間部で報告された17の心霊体験が収録されている。特徴として、①著者の実体験に基づく一次情報、②複数目撃者による同時体験の記