番小屋に座っていたツル
どんな伝承か
昭和二十七、八年の夏祭りの夜、千葉県柏市藤ヶ谷の染谷平兵衛は、同年配の若い者何人かと夜遅くまで外で遊んだ。家では皆が寝ている時刻になり、暑くもあったので、自家のスイカ畑のわきに建てた盗難見張りの番小屋で寝ようということになった。小屋へ入って灯りをつけると、中にツルこと矢田鶴吉が座っていた。手には食いかけのスイカを持ち、横には盗んだスイカが何個か置いてある。互いに一言も発せぬまま気まずい空気が流れ、やがて鶴吉は黙って立ち上がり、そのまま出ていった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)