夫の庚申さまを池で拒んだ弁天さま
どんな伝承か
庚申さまと弁天さまは、もとは夫婦だったという。弁天さまは並ぶ者のない美しさだったが、庚申さまは顔が青く、青面金剛の恐ろしい姿をしていた。あるとき弁天さまは、怒った庚申さまの恐ろしさに耐えかねて逃げ出し、住まいのまわりに池を掘って、夫が近づけないようにした。一方の庚申さまは、道ばたの塚の上に立ち、弁天さまが通りかかるのを、いまかいまかと待ち続けているのだという。
原典より
あるとき、弁天さまは、庚申さまの怒りの恐ろしさに逃げだし、居所のまわりに池を掘って夫の来るのを拒みました。—— 騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史)
『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』は、騎西町が編んだ町史民俗編のうち、方言一覧の末尾と第9章「伝説・昔話」を収めたものである。調査協力委員や地域の老人クラブを通じて集めた二十八話で、久伊豆明神(玉敷神社)の獅子、雷電社の雨乞い、和尚の説話、いぼとり地蔵、入定塚、念仏橋、狐やムジナに化かされた話などを、話者名や郷土誌の出典を添えて載せる。章のはじめに伝説と昔話の違いを述べ、神社・寺堂・塚と橋・行事のいわれ・妖怪談の五節に分ける。