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道祖神を根元に抱く下崎の一本杉

所在地埼玉県加須市下崎(一本杉)
年代伝承
登場里人
出典騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪

どんな伝承か

騎西の町並みを西へ抜け、下崎の家並みを過ぎて小川を渡り、さらに南西へ田んぼ道を進んだ人里離れた寂しい所に、古くから知られた一本杉が立っている。昔は杉の大木が三本並び、あたりは一面の萱野だった。今の杉は三本杉の跡継ぎとして植えられたもので、根元には「道祖神」と刻んだ苔むした石があり、枝に下がる古いわらじはこの神への供え物である。かつてこの寂しい道には物取りが出没し、杉の陰に潜んだ覆面の男が、金を懐に孫への土産を手にして家路を急ぐ行商人を呼び止め、有り金を出せと迫り、ひざまずいて許しを請うのも聞かずに斬り殺して姿を消した。そうしたことが幾度もあったという。それを見届けていたのは老杉だけで、苦労を重ねたせいか杉の丈は一向に伸びないと語られる。

原典より

その根元を見ると「道祖神」と書いた、こけむした石が、田の中へ落ちそうに天を仰いで立っています。—— 騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史)

『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』は、騎西町が編んだ町史民俗編のうち、方言一覧の末尾と第9章「伝説・昔話」を収めたものである。調査協力委員や地域の老人クラブを通じて集めた二十八話で、久伊豆明神(玉敷神社)の獅子、雷電社の雨乞い、和尚の説話、いぼとり地蔵、入定塚、念仏橋、狐やムジナに化かされた話などを、話者名や郷土誌の出典を添えて載せる。章のはじめに伝説と昔話の違いを述べ、神社・寺堂・塚と橋・行事のいわれ・妖怪談の五節に分ける。

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