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下崎の一本杉

所在地埼玉県加須市下崎(一本杉)
年代不明
登場覆面の怪人、辻斬り、行商人
出典騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪

どんな伝承か

騎西の本町通りを西へ進み、下崎の民家を過ぎて小川を渡ると、一面が田の寂しい道になる。そこに一本杉が立つ。昔は杉の大木が三本あり、一帯は萱野であった。今の杉は六〇年ほど前に後継として植えられたもので、古わらじが下がり、根元には「道祖神」と刻んだ苔むした石が天を仰いで立つ。わらじはこの神に上げたものだという。昔、この寂しい場所をねらって物取りが出た。ある夕べ、老杉の陰に潜んだ覆面の怪人が、金を懐に帰る行商人を呼び止め、有り金を出せと迫った。ひざまずいて許しを乞う男を「めんどうだ」といきなり太刀で斬り倒し、いずれかへ姿を消した。一部始終を知るのは老杉だけで、こうしたことが幾度も重ねられたと伝える。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史)

『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』は、騎西町が編んだ町史民俗編のうち、方言一覧の末尾と第9章「伝説・昔話」を収めたものである。調査協力委員や地域の老人クラブを通じて集めた二十八話で、久伊豆明神(玉敷神社)の獅子、雷電社の雨乞い、和尚の説話、いぼとり地蔵、入定塚、念仏橋、狐やムジナに化かされた話などを、話者名や郷土誌の出典を添えて載せる。章のはじめに伝説と昔話の違いを述べ、神社・寺堂・塚と橋・行事のいわれ・妖怪談の五節に分ける。

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