家を三度引かせた大きな笠松
どんな伝承か
萩原にある笠松は、大きな笠を広げたような形からその名がある県の天然記念物である。枝が伸び続けるので、持ち主の家は三度も建物を引いて場所を譲ったという。根元の草をむしると水が切れるといって、むしらずにおく。松の占める地面は百五十坪にも及ぶ。かつて前橋の殿様に納めたこともあったが、手入れが大変だとして返されたと伝わる。萩原はもと幕府の直轄地であった。
原典より
松はかつて、前橋様におさめたが、管理が大変なので返されたという。—— 高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話(群馬県民俗調査報告書 第20集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話(群馬県民俗調査報告書 第20集・群馬県民俗調査報告書)
『高崎市東部地区の民俗――伝説・昔話』は、『群馬県民俗調査報告書』第二十集『高崎市東部地区の民俗』のうち、口頭伝承の章である。榛名湖に入って蛇となった木部姫、弘法大師の七つ井戸、慈眼寺近くの餓鬼坂、オサキ使いの家などの伝説と、うばすて山や和尚と小僧、火の玉や死の予兆の体験などを、話者の地区名を添えて収める。伝説・昔話・命名・諺の項に分け、村の姓やあだな、農事や天気にかかわる諺も採録している。