神のお告げと山崩れが残したガラ
どんな伝承か
昔、今の戸口をまだ揚原と言っていたころ、ある夜、村一番の財産家の夢に白い衣を着た神様が現われ、今夜この村の横の山がくずれるから村人はみな逃げるようにと告げた。財産家は驚いて村人に知らせたが、村人は気が狂ったのだと笑って相手にしなかった。果たしてその夜、山頂からゴーというものすごい音がして岩なだれが襲い、残っていた者は岩石や木の株、土なだれの下になった。告げを信じて逃げた人たちは助かり、方々に分かれて住みついた。これが今の上・中・下戸口だという。崩れたあたりを今もガラと呼んでいる。
原典より
昔、今の戸口(以前は下戸口)を揚原と言っていたころ、ある夜、村一番の財産家の夢の中に、白い衣を着た神様が現われて、「今夜、この村の横にある山がくずれるから、村人はみな逃げるように。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。