そうはちぼん(正八坊)の火の魂
どんな伝承か
桜の散る頃の夕暮れ、小田中の向かいにある眉丈山の中腹から、いくつもの火の玉が横に連なって現れ、一の宮の神様の方角へ歩くように動いては谷に入って消え、また山上に現れた。人々はこれを「そうはちぼん」と呼んだ。言い伝えでは、正八坊という僧が一の宮権現に化かされて「潮干る珠」を奪われ、頭が狂って死に、その魂が火の玉となって眉丈山をさまよっているのだという。
原典より
桜の花も散って、大分暖こうなった夕暮時分や、向かい側の眉丈山の中腹から、上の方に幾つもの火の魂が出たもんや。—— 鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鹿島町史 通史・民俗編――伝説(鹿島町(編)・鹿島町史)
『鹿島町史 通史・民俗編――伝説』は、鹿島町の町史通史・民俗編のうち、昔話と伝説の節と、続く「俗信と俚諺」の冒頭を収めたものである。石動山麓と邑知地溝帯の集落で聞いた話を、芋掘り権兵衛や屁売りじいさなどの昔話、亀塚や椀貸穴などの自然伝説、初瀬の観音様や井田の不動滝の信仰伝説、久江の道閑や村境を決めた話の歴史伝説に分け、在所名を添えて載せる。伝承の状況や語り始めと結びを述べた解説を前に置く。