観音に守られた照天姫の流転
どんな伝承か
常陸太田の城主佐竹の弟篤光は子がなく、日光の観音を信じて授かった娘が照天姫である。小栗家との婚約は調ったが、父が賊に討たれ姫はさらわれた。落城して三河へ落ちる小栗判官助重は、相模の権現堂で横山太郎の家に泊まり、そこに娘分として住んでいた照天と再会する。荒馬と毒酒の企てを姫が知らせて助重を逃がすと、姫は海へ投げ込まれたが持仏の観音に救われた。美濃で下女として働き常陸小萩と名乗るうち迎えが来て、三河で助重と結ばれたという。
原典より
常陸太田の城主、佐竹大膳大夫の弟常陸介篤光は子どもがないので、夫婦して日光山中禅寺観音を深く信心したところ、間もなく身ごもり、応永十四年(一四〇七)二月生まれたのが美しい姫で、照天姫と名づけた。—— 日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。