牛石から起こった五目牛の名
どんな伝承か
源義経が兄頼朝に追われて東へ下ったとき、いまの五目牛の牛石のあたりまで来て、乗っていた牛がつぶれて石になったという。その石を牛石と呼び、石に五つの目があることから五目牛の名が起こったと伝わる。牛石の近くには荷鞍の形をした石があって荷鞍石と呼ばれたが、いまは残っていない。義経がこの地に着いたのは十日夜の前の晩だったので、村人は十日夜を一日繰り上げ、九日夜にして一行をもてなした。それで五目牛ではいまも十日夜の行事を九日夜に行っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。