器舟で流された皆鶴姫と観音寺
どんな伝承か
一関市室根町折壁に伝わる皆鶴姫の話。父の鬼一法眼から巻物のことを問われた皆鶴姫は顛末を告白し、怒った父は桑の木の器舟に姫を乗せて流した。一方、義経の夢枕に姫が現れ、奥州本良の松が浜に漂着したと語る。同じ夢を三晩続けて見たので松が浜へ行ってみると、夢のとおり器舟の中で姫が死んでいた。義経は姫を不憫に思って折壁村の巨勢山観音寺に葬り、姫の怨念を鎮めるために大菩提の修行を行った。姫の携えていた鏡や珍宝は観音寺に納めて大追善の供養を行ったという。これ以来、松が浜をゆり上げ浜と呼ぶ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。