稲二束の由来と怪力の三吉
どんな伝承か
秋田領の稲庭というところに、三吉という小柄な若者がいた。子供のころから土地の長者の家に奉公していたが、主人がいつまでも人を使うのは気の毒だと言って、何なりと好きな物をやるから独り立ちせよと勧めた。三吉は旦那様の前の田の稲ばせをひと背負いだけ頂きたいと答えた。翌朝、主人が起きてみると千刈田いっぱいに掛けてあった稲が一本残らず消えており、向こうを小山のようなものが動いていく。追いかけると、三吉が刈った稲束をすべてまとめてひと背負いにして運んでいくところであった。そのとき二束だけ地に落ちたので、この土地を稲二束、すなわち稲庭というのだと伝える。
原典より
秋田領稲庭と云ふ所に三吉といふ小兵な若者がありました。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。