苦木屋敷に残る由伽理姫と小町の生い立ち
どんな伝承か
北に町田という田地の名がある。そこには昔、町田長左衛門為邦が住んでいたといい、その屋敷の跡である。上祖は町田治郎左衛門尉為長といい、その娘を小野郡司良実が妾とした。名を由伽理姫という。姫は身ごもったが、良実は任が果てて都へ上ってしまった。由伽理姫は女子を一人生んで七日を経て世を去り、幼女は姫の父母に育てられた。その地を苦木屋敷と呼び、跡が残る。幼女こそ小町姫で、十三の年に母の菩提を弔ったとき、守り太刀の袋に父小野良実の名を見て都を慕い、陸奥を経て上京したと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。