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稲庭の名を残した大男の若勢

所在地山形県最上郡真室川町
年代伝承(口承)
登場三吉、力の神
出典日本伝説大系 第2巻

どんな伝承か

稲庭に、背丈が六尺もある風変わりな男が日暮れに現れ、婆さまに奉公先の世話を頼んだ。八俵若勢、十俵若勢は珍しくないが、この体つきなら十二俵若勢でも通ると評判になり、大百姓たちが争って雇いたがった。男は一年の報酬に「稲ひとしょい」だけを望み、毎日毎日藁を打っては太い荷縄を綯い続けた。約束の一年が明けた晩、男は綯いためた縄で稲のにおをいくつも括り、それをひと背負いにして担いで去った。米二十俵三十俵ではきかぬ量であったという。担ぎ上げるとき引き抜けて落ちた稲が二把、それでこの部落を稲二把、稲庭と呼ぶようになった。いまも大食の者を三吉さまのお使いだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。

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