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汽車を四分追い抜いた俥夫小坂弁蔵

所在地東京都中央区銀座木挽町
年代明治十七年三月
登場英国人タイルメン、俥夫小坂弁蔵
出典日本怪奇集成-明治大正昭和篇

どんな伝承か

築地に住んでいた英国人タイルメンが、午前十時四十五分新橋発の列車に乗ろうと駅へ急いだが、京橋木挽町十丁目まで来たところで発車の汽笛が鳴ってしまった。橋のたもとで客待ちをしていた俥夫たちに、汽車に追いつけたら賃金はいくらでも払うと持ちかけると、名乗り出たのは本芝四丁目の小坂弁蔵という若者だけだった。弁蔵は鉢巻きを締める間も惜しんで走り出し、列車より四分早く品川停車場へ着いた。英国人は驚喜して銀三弗を渡したが、当時の新橋品川間の車代は十銭ほどだったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)

『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。

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