マド木を窯に焚いて毎晩現れた二人の女
どんな伝承か
山形県最上郡真室川町での話。山神様のところに、ちょうど穴のあいた木があり、マド木ではないかと尋ねると、マド木だから御神酒をあげて残しておけと言われた。ところが爺ちゃんは炭窯を焚くときにその木を伐ってしまい、窯へ焚いてしまった。そのために山神様が腹を立てられ、その晩から毎晩、きれいな女が二人、寝るときに現れるようになった。三晩まで続いたので、占いをするオナカマのところへ行くと、御神酒をあげて伐ればよかったのにあげずに伐ってしまったからだと言われた。山へ行って御神酒をあげてくると、女は来なくなったという。山神様は女神だと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。