斧を振り上げた途端に動いたホルトの大木
どんな伝承か
船大工の修行のため宇検村生勝から大和村大金久へ奉公に出た男が二三歳の頃の話。土地に不案内で、冬の山仕事では年下の友人に付いて山へ入っていた。ある日、大金久の山を越えた深山で、船をはつる角材に向く真っ直ぐで枝のないホルトの大木を見つけた。この土地では木に主が宿るとされ、斧を振り上げて木が動いたり震えたりしなければ伐ってよいという。ところが友人が斧を振り上げた途端、風もないのに大木がざわざわと動き出した。友人は真青になって逃げ、二度と山仕事はしないと言って自衛隊へ入ったが、のちに横須賀で係留中の船から落ちて死んだ。木の主に出会った者は短命だと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)