碁盤に売られる榧の木を去った蛇
どんな伝承か
すぐ下に辰巳という家があり、その横に大きな榧の木があった。姑が子どもの頃に遊んでいると、その榧の木に大きな蛇がぐるりと巻きついていたという。姑はいつも、あの榧の木には大きな蛇がいる、あれが主だと言っていた。最近になって、外からその榧の木を碁盤にするために買いに来る者があり、家では売ってしまった。伐りに来たが、神を信仰している人が言うには、蛇は木が伐られて売られることを分かっていたので、伐るときにはもういなかったという。その家の婆さんは毎朝、榧の根本に酒と洗米と塩を供えており、目も見えるようになったと喜んでいた。木を売ったときには蛇もどこかへ移ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)