善福寺の田で出会った真白な蛇
どんな伝承か
善福寺の裏あたりには蛇がたくさんいた。青大将である。漁師の家にはどこも浅蜊を採る籠をこしらえる八番線の針金が置いてあり、それを切って先を尖らせ、糸を付けて狙い撃ちにすると見事に絡みついた。別に食べるわけでもなかった。ある日、田に水を入れる所へ友達と行き、そこを飛び越えた途端、友達が「いたぞ」と言う。見ると真白な蛇がとぐろを巻いていたので、あわてて逃げ出した。二、三時間して戻ったときにはもういなかった。善福寺のイチョウの木の下のほうに穴があいていて、そこに白蛇が住んでいるという話だった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。