息を止めて七周する逆さ植えの杉
どんな伝承か
語り手の故郷である小川町の神社に、杉の大木が立っている。大人が七人で腕をまわしてようやく届くほどの太さで、この木のまわりを息を止めたまま七度まわり、上を見上げると白蛇が現れると言い伝えられてきた。この杉は昔、根を上にして逆さまに植えたものだといい、見上げると枝ぶりがまさしく根のような形をしている。昭和の何年ごろのことか分からないが、実際に息を止めて七周を駆け抜けた人が上を仰いだところ、白い蛇が現れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。