薬師に祈って育った長者の娘
どんな伝承か
旧手賀村に長者がおり、手賀長者とも唐が崎長者とも呼ばれていた。一人娘が生まれつき体が弱く、両親は近くの西蓮寺の薬師如来に熱心に祈って、娘は丈夫に育ったという。娘が年老いたころ、源義家が奥州征伐の途中、鹿島神宮へ参ろうと霞ヶ浦へ舟を出したが暴風雨に遭い、高須の浜へ吹き上げられた。義家は軍勢を率いて唐が崎長者のもとに七日七夜滞在したが、同じ膳部も同じ夜具も出ないほどの財力に驚き、後日謀叛を起こしかねぬとして一族を皆殺しにした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。