位牌の重みで傾く西蓮寺の常行堂
どんな伝承か
茨城県行方郡玉造町の天台宗西蓮寺では、九月二十四日から三十日まで常行三昧会が続けて営まれ、その間に仏立て(位牌立て)が行われる。常行堂では七日間昼夜を分かたず常行三昧が修され、参詣の人々は死者の位牌を納めていく。位牌はいつまでも保存されるため、その重みで堂が傾くほどになり、古いものから経木塔婆に書き改めているという。会の初めと中頃と終わりの三回、学頭と呼ばれる住職を先頭に大勢の僧が客殿と常行堂の間を行き来し、境内には盛大な市も立つ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。