経木塔婆を焼く常福寺の仏立て
どんな伝承か
茨城県那珂郡瓜連町の浄土宗常福寺では、旧暦九月二十六日の夜を中心に仏立ての行事が行われる。参詣の人々は戒名を書いた経木塔婆を、本堂前に臨時に設けた地蔵堂に供え、それを日中・日没・初夜の三回に分けて焼いてしまう。集まった三、四十人の僧が経を唱えながら堂のまわりを巡るという。宗派を問わず新仏の出た家の人々が遠近から集まって供養する、関東の寺に見られる行事の一つとして挙げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。